日々の衣類の復元について解説

で、数日後、ご依頼主のクリーニング屋さんから連絡があり、「お客様は、そちらで選んだ生地で作ってもらって構わない、それで必ず受け取ってくれる、とおっしゃっているので、進めてください」という内容でした。　トーア復元研究所としては、それを聞けば安心して取り掛かることが出来ますが、私自身は、普通クリーニング屋さんが袖ベルト...

また別の問題がある、とは、できる限り似た生地を探したとして（前回ご覧いただいた購入した生地がまさにそうですが）、それでも生地の特徴というものは、①色②厚み③生地の光沢やツヤの有り無し④繊維の太さ⑤繊維の織り方（同じ糸を使っても平織りや綾目織りや朱子織りで違った色に見える）など、ざっと考えただけでも、これだけの要素があり、...

さて、とにもかくにも、ご依頼主自身が「袖ベルトを両方作ってください」とおっしゃっているので、トーア復元研究所としては、それに最善を尽くすのが使命です。　袖ベルトを２本作るには、コートの身返し（コートの胴体裏側に表地と同じ生地で作っている部分）で作るには生地の面積が足りないので、生地店から仕入れてくる必要があります。...

袖ベルトが両方とも無くなった、という点に関して、私もいぶかしがって、「それって、本当に受け付けた時には両方あったんですか？」とご依頼主のクリーニング屋さんに聞いてみると、「それが、受付の人間は『最初から無かったと思う』と言うんですが、お客様の方が、『いや、絶対最初はあった！』とおっしゃるので、作成をお願いすることに...

【無くなった袖ベルトの作成】ご依頼主は新潟県のクリーニング屋さん今回は新潟県のクリーニング屋さんからのご相談でした。　「洗ったダウンジャンパーの袖ベルトが無くなっている！？とお客様から指摘されてしまったので、袖ベルトを作って欲しいのですが・・・」というお電話の後、ご依頼品が到着しました。　中には丁寧なお手紙も同封さ...

こちらが折り目付けが終わったドレスです。プリーツ幅が１センチより狭くなるとアイロンでは折り目が付けられないので、今回、下から３分の２くらいまでしか折り目付けが出来ませんでしたが、スソ部分がしっかり折り目が付いていると上の方は折り目が甘くても気が付かないものです。　上まで全部折り目を付けなくても、これなら十分着用に耐...

さらに山折りの折り目付けを進めていきます。一周全部終わったところで、最終確認します。　最終確認とは、うっかり谷折りを消してしまった部分や、元の折り目とズレてしまった部分がないかのチェックです。　そういう部分が見つかった場合、部分的にやり直すのですが、これがまた時間のかかる作業で、直す際は一旦、せっかく付けた折り目を...

では、前回の「谷折り」の折り目から、今回は裏返したドレスを元に戻して、「山折り」の方の折り目を付けていきます。　まず、元に戻したところをご覧ください。　谷折りだけの折り目が付いているので、「ハート型の上半分」のようなプリーツになっています。　これに山折りの折り目を付けていきますが、手順は谷折りと同じです。　一つ違う...

では作業を始めていきます。　ご依頼品のドレスを一旦、裏返してアイロン台の上にセットします。裏返したら、まず「谷折り」の折り目をアイロンでつけていきます。一本、谷折りの折り目を付け終わったら、そのとなりの谷折りの折り目を付けていきます。　洗濯バサミはスタート位置を分かりやすくするためのマークです。このように順次、谷折...

【取れたプリーツの折り目付け　消えたプリーツ加工】ご依頼主はクリーニング屋さん今回は埼玉県のクリーニング屋さんからのご依頼主からのご相談でした。　「洗ったら、ドレスについていたプリーツが取れてしまったんですが、直りますか？」というお電話の後、ご依頼品が到着しました。開けてみましょう。上品なドレスが入っていました。ス...