日々の衣類の復元について解説

これが中に入っていた固くなったワタです。あちこちが裂けてしまって、ボロボロになっています。　洗い方も問題あったかも知れませんがワタ自体の寿命も加わってここまでになってしまったようです。　トーア復元研究所ではもっと寿命の長いワタを利用して交換しましたから、今度は洗い方を間違っても相当長持ちするでしょう。 この寿命の長い...

こちらがワタを交換した半天です。ちぎれかけていたヒモもこの通り。大事な形見の半天が無事直ってホッとしました。　何しろ半天のような和裁で特徴のある縫い方をしたものは、洋服と違ってクセがあるので、担当もちょっと苦労したそうです。 こういう抜い手のやり方の違いを「手が違う」と言うそうです。では問題の「洗ってダメになったワタ...

その問題というのは、半天のヒモ部分が切れかかっていた、というものです。このヒモは半天本体に片方を縫い付けられていたものですが、それがほとんど切れる寸前になっていました。　ご依頼主にその点、このままでいいのかお聞きすると、「なら、そこも直してください」ということで、正式にワタ交換とヒモの破れ直し、両方ともご依頼されま...

こちらが、実際のご依頼品である半天です。確かに手に取ってみると、中のワタが片寄って、なおかつ固くなっています。　なんでもご依頼主にお電話でお聞きしたところによると、この半天はお客様のご親族の形見だそうで、お金には替えられない、とのこと。　これは何とかして差し上げたいです。しかも、ワタの片寄り、硬化以外にも別の問題も...

【半天の綿交換】ご依頼主はクリーニング屋さん今回は神奈川県のクリーニング屋さんからのご相談でした。　「洗い方を間違えて半天の中に入っているワタが固くなってしまったんですが、直りますか？」というお電話の後、ご依頼品が到着しました。開けてみると、中には丁寧なお手紙も同封されていました。お電話によると、地元のリフォーム屋...

【学生服の詰襟のホックが壊れてしまったらトーア復元研究所へご相談ください。】最初のご相談からご依頼品の送付、状態確認まで最初のご相談で直せるかの可否について分かる範囲でお答えし、ご納得頂いてからのご送付が可能です。　今回はたまたま地元のクリーニング屋さんがご依頼主だったのでご来店いただきました。　状態を確認し、納期...

こちらが新品の詰襟ホックに交換したところです。無事、元通りの状態になってホッとしました。　ちなみにこのホックを取り付けるために、エリの一部をほどいて手作業でホックを取り付けますが、その後、ミシンではなく、手縫いでエリを元に戻します。　その痕跡が詰襟学生服のエリにはあるのですが、どの部分か、お分かりでしょうか？その答...

こちらが仕入れた新品のホックです。袋から出して細部をご覧にいれましょう。四角い金具部分を詰襟の内部に縫い付けて固定します。　これも特殊なノウハウが必要なので、長年学生服や制服の作成に携わってきたトーア復元研究所の縫製担当ならではの仕事と言えます。ではその出来上がりを次回、ご覧に入れましょう。

器用な人であれば、ペンチなどを使って曲がった詰襟のホックをキレイな形に直せるかもしれませんが、問題はホックの針金がこのように黒い樹脂などでコーティングされていることです。ペンチで直すためには、かなり力を入れて曲がったホックを矯正する必要がありますが、その際にこのコーティングが剥がれてしまうのです。　中にはこのような...

壊れてしまう原因は、主にドライクリーニングの機械の内壁にある「穴」に詰襟のホックが引っ掛かり、何度も回転しているうちにホックの針金が曲がったり折れたりしてしまうことにあります。　そのドライクリーニングの機械には、このように溶剤を脱液するときに溶剤を洗濯槽から抜くための「穴」が空いています。この穴にクリーニング中にち...