通常、ハトメというものは取り付ける際に表の金属と裏側に来る金属(座金)が嚙み合うことで装着されます。 それが取れてしまった、ということは噛み合った部分が外れてしまったことが原因です。 噛み合った際に、金属の接合部分が折れ曲がりますから、それが外れてしまうと、再度取り付けようにも折れ曲がる前の状態に金属を戻すことが出来ません。 つまり「外れたハトメは再利用不可能」というのが結論なのです。
今回、外れてしまったハトメにはモンクレールのロゴが刻印されていますから、既製品のハトメに交換するわけにいきません。 そこで何とかして「再利用不可能」なハトメを再利用して、フードのヒモの穴に取り付ける必要があります。 細かい方法は説明し切れませんが、トーア復元研究所で検討した結果、何とか取り付けることに成功しました。それがこちらです。
近寄って細部を見てみましょう。
右側のハトメが左側のハトメ同様ちゃんと取り付けられているのが分かると思います。 強度は多少劣りますが、通常の着用であれば取れないでしょう。
こうして無事、このモンクレールのハトメを取り付けてご依頼主へご返送することが出来ました。 ちなみに領収書はご依頼主のご希望通り、その方の個人名になっています。 今後はこのような不幸な事故に遭われないことをお祈りするばかりです。
ではまた明日。 別のご依頼品をご紹介いたします。