ではモンクレールのダウンジャンパーに貼り付けてあったプリントが剥がれた状態を確認してみましょう。
真っ黒だったプリントが全体的にうすくなっています。 これはもしかするとクリーニング時になんらかの問題があって(例えば乾燥機不可なのに、乾燥機に入れてしまった、など)薄くなってしまった可能性があります。 寿命が原因の場合、薄くなるのは部分的だったりムラがあったりすることが多いからです。
乾燥機以外にプリントされた衣類に行ってはいけないことが「ドライクリーニング」です。 その理由はプリントを貼り付けているノリがドライクリーニングで接着性が無くなってプリントが剥がれてしまったり、プリントの素材自体がドライクリーニングの有機溶剤で溶けて破れてしまったりするからです。
でもトーア復元研究所の仕事は原因をつきとめることではありません。 ご依頼主の期待に応えて元の状態に戻すことです。 では次回からこのモンクレールのダウンジャンパーの剥がれたプリントを直す工程をご紹介いたします。