次の工程は「剥がれたプリントを基に、プリントのデータを作成する」です。 具体的にご説明いたします。
プリントの画像をコンピュータにスキャンして取り込み、その輪郭をトレースしてデータ化するのです。
この際に気を付いけないといけないのは、「プリントの輪郭を正確にトレースしてはダメ」と言うことです。 なぜかと言うと、プリントは貼り付ける際に相手となるナイロン生地が薄すぎるので、どうしてもナイロン生地が歪んで張り付いた文字も歪んでちょっと曲がった状態で貼り付きます。
ですから、その通りにトレースしてしまうと、それを基に新しいプリントを作って再度貼り付けると、歪みが増幅されて、さらにゆがんだ文字になってしまうからです。 こうなるともどのロゴから逸脱した形になってしまいます。
そこでトレースする際にはこの歪みを考慮し、それを補正しながらトレースするのです。 こういった細かい点一つ一つが長年プリントの復元を研究してきたトーア復元研究所のノウハウと言えます。
ではまた次回。 この続きの工程をご説明して参ります。
