まず最初の工程として、剥がれたプリントが貼られている部分の生地だけ、モンクレールのダウンジャンパー本体から取り外します。なぜ取り外すかと言うと、新しくプリントを作ったとしても、ダウンジャンパーの形のままプリントを圧着しようとすると、ダウンジャンパーの中の羽毛が邪魔になってプレス機の力が分散してしまい、結果、すぐ剥が...
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17 剝がれたプリントを直す モンクレールのダウンジャンパー
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16 剝がれたプリントを直す モンクレールのダウンジャンパー
プリントはこのような状態でした。MONCLERの各アルファベットが一様に剥げかかっています。しかもよく見ると、比較的まさつの多いフードのエリ周りを中心に剥がれています(写真中上半分)。 このようにプリント製品が剥がれてくるのは寿命にもよりますが、摩擦などの外圧によるところも大きいのです。では次回からこのモンクレールのダウン...
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15 剝がれたプリントを直す モンクレールのダウンジャンパー
今回は都内の個人のご依頼主からのご相談でした。 「モンクレールのダウンジャンパーに付いていたプリントが剥がれてしまったんですが、直りますか?」というお電話の後、ご依頼品が到着しました。開けてみましょう。中には大変期待を多くして下さっているのが伺える手紙も入っていました。 ではそのプリントの剥離状態を次回の記事でご覧...
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10 プリントが剥がれたダウンジャンパーを直す
では、取り外していたプリントがされていた生地を、モンクレールのダウンジャンパー本体に縫い付けて完成したところをご覧ください。白いダウンジャンパーに真っ黒いプリント文字がとても冴えてキレイですね。 近寄って細部を見てみましょう。プリントもしっかりくっついています。 プリント作業時に熱や圧力、圧着時間などが足りないと耐...
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9 プリントが剥がれたダウンジャンパーを直す
新しいプリントは地方にある部署で行います。 出来上がったプリントは宅急便でトーア復元研究所の東京本部まで送られてきます。 その梱包を開けてみると、新しいプリントが貼り付けられたご依頼品が入っていました。 今回は同時に3点のご依頼品があったので、三つ入っています。そして今回のモンクレールのダウンジャンパー用の白いプリ...
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8 プリントが剥がれたダウンジャンパーを直す
では引き続き、プリントを剥がす工程を進めていきましょう。少しずつだんだんとプリントが剥がれていきます。そしてようやく全て取ることが出来ました。黒い細かいカスが付いていますが、これらは一度洗ってしまえば取れます。 ちなみにこのプリント剥がし作業の後はプリントの破片が細かいゴミになってしみ抜き機の周辺に飛び散りまくりま...
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7 プリントが剥がれたダウンジャンパーを直す
さて、次なる工程は「剥がれかけたプリントを全て剥がしてしまう」工程です。 プリントと言えど、剥がすとなれば「シミ抜きをする」のと同じ範疇です。 使用するのは「しみ抜き機」です。 ではまずプリントがさらた生地を機械にセットします。そして薬品を塗布したり剥がし棒を使ったりして、だんだんとプリントの黒い樹脂を剥がしていき...
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6 プリントが剥がれたダウンジャンパーを直す
次に行う工程は「データ作成」です。 まず剥がれたモンクレールのダウンジャンパーのプリントの画像をスキャンし、コンピュータ上に映し出します。そして外形をトレースして、そのデータをプリント作成担当へ送るのです。このトレース作業で一番重要なのは、「剥がれたプリントの外形をそのままトレースしない」ということです。 なぜ、そ...
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5 プリントが剥がれたダウンジャンパーを直す
まず、このようにプリントが貼ってあったフードの生地を取り外します。なぜかと言うと、フードの形をしたままだと、新しいプリントを貼り付ける際に中の羽毛が邪魔になってプレス機の圧力が上手く伝わらず、すぐに剥がれてしまうからです。 このように生地一枚になっていれば、プレス機の熱と圧力を最大限に、そして均等にプリント面に加え...
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4 プリントが剥がれたダウンジャンパーを直す
では剥がれたプリント部分を見てみましょう。着用中、摩擦されやすい部分を中心に剥がれています。 どれくらいの期間(年数?)着用されたのかは分かりませんが、プリントのデメリットである「寿命が短い」ことが今回のプリント剥離につながっていますね。 ではこれまでも何度もこのブログでご紹介してきましたモンクレールのダウンコート...