衣類の匂い除去– category –

ポリエステル混紡のジャケットです。　ジャケット用に織られている生地では、ウールであっても弱い薬品であれば、ほとんど問題がありませんが、ポリエステル混紡だと一層大丈夫です。　ススの臭いも取れやすく、大変作業しやすいご依頼品だと言えます。ポリエステルの衣類は染み抜きにおいては大変良好な素材と言えます。　着用時に吸湿性に...

ベージュのウールのベストです。　ウール地はもちろん、背中のキュプラも弱い薬品なら安心して作業して問題ありません。　主にスーツに使われている生地は、比較的丈夫で火災のスス汚れ、臭い除去では安心して作業できます。ちなみにこのベスト。　強い薬品を使うとなるとウールのため変色や色移りの危険があるので、今回は程度が軽度で本当...

こちらはカルバンクラインのウールのコート。　強い薬品での作業だと、多少なりとも色が冷めたりしそうですが、今回は弱い薬品での処理なので、そういった心配もありません。　被災時の状態が悪い時ほど、臭いや汚れ取りの成果と衣類へのダメージどちらかを犠牲にせねばならず、難しい判断を迫られます。逆に今回の様に被災程度が軽い場合は...

では今日からその「軽傷なケース」での実際のススの臭い除去工程を写真でご説明していきます。　こちらのトレーナーは綿素材で胸にゴールドのプリント柄が貼り付けてあります。　プリント接着品での注意点は、その接着剤が水で溶けるものと石油で溶けるものに大別されますが、寿命が来ているとどちらでも剥がれる可能性があります。　特に火...

スス汚れがほとんど目立たないという場合、ご依頼主は当然、「ススの臭い」が取って欲しくて依頼されます。　もちろんススの臭いがひどい時もありますが、今回の軽傷なケースのようにススの汚れも臭いもひどくない場合、逆に難しいのは「臭いというものは、ある程度主観的な要素がある」ことです。　つまりトーア復元研究所で「これなら大丈...

【火災に遭った衣類の煤・臭い除去解説】はじめにさて、今回からご紹介するのは、火事に遭ってススの臭い・汚れ除去を依頼されたケースで「軽傷なケース」です。合計２４点のご依頼品をお預かりしましたが、いずれもススの汚れはほとんで目立たず、臭いもかすかにしかしないレベルでした。　トーア復元研究所では作業にあたり、仕上がりレベ...

私のメールへの最後のご返信は以下のようなものでした。「そうだったんですね。大事に至らなくて幸いでしたね。誰もがそうだと思いますが、まさか自分の家から火災が起こるなんて思ってもいないですよね。人は自分が経験して、初めてその痛みが分かりますね。私は今回の事で、本当に大切なのは物ではなく、気持ち 心なんだと今更ながら再確認...

今日から 別の火災の被災品のスス・臭い除去工程 を・・・・と思っていたのですが「かなり重症なケース」のご依頼主からお受け取り後に頂いたメールを最後にご紹介してこのシリーズの終わりとしたいと思います。こういったやり取りはご依頼に際してトーア復元研究所の仕事がどのような感想をご依頼主に持たれているかのご参考になるかと存じ...

さて、ここまで2カ月以上かけて「かなり重症なケース」の火事の被災品をススと臭い除去工程をご紹介して参りました。トーア復元研究所ではこれまで相当な数の火災の被害に遭った衣類のスス汚れや臭い除去作業をして参りましたが、数ある技術やノウハウをもってしても一部のものは完全に除去出来なかったケースがありました。　それらは素材や...

こちらのワンピースは化繊で出来ているのでススの臭い除去は効果的に出来上がりましたし、ススの汚れは運よくほとんど目立たないレベルのものしか付いていませんでした。　白地の部分に目立つスス汚れが付いてしまうと、化繊とは言え、どうしても完全には落とせないので大変幸運だったと言えます。このように、化繊は汚れが落ちやすいとは言...