私のメールへの最後のご返信は以下のようなものでした。
「
そうだったんですね。
大事に至らなくて幸いでしたね。
誰もがそうだと思いますが、まさか自分の家から火災が起こるなんて思ってもいないですよね。
人は自分が経験して、初めてその痛みが分かりますね。
私は今回の事で、本当に大切なのは物ではなく、気持ち 心なんだと今更ながら再確認をしました。
我が家も幸いにして隣近所には飛び火せず、我が家だけのボヤですみ、人的被害も愛犬も無事だったのでなによりでした。
人の痛みのわかる人でありたいと思います。
あんなに綺麗にして頂いて本当に有難うございます。
また何かの時は宜しくお願いします。 」
文面から、ボヤとは言え、相当なご苦労をなさったのだとお察しします。 トーア復元研究所の仕事は、火災の被害に遭った衣類をまたご着用になれるレベルにまで復元することですが、その結果如何によっては、衣類がまた着れるという範疇以上の精神的なお役に立てることもあるのだと分かり、今後も更なる技術向上でご依頼主のお役に立てねば、と思いを新たにする一件でもありました。
今回のご依頼品は2度に分けて大変な数のご依頼を受けたのですが、全ての作業が終わるまでに一か月前後かかる大仕事でもありました。 それがこのご依頼主からのメールを頂戴して全て報われた気持ちになった一件でした。