今日から 別の火災の被災品のスス・臭い除去工程 を・・・・と思っていたのですが「かなり重症なケース」のご依頼主からお受け取り後に頂いたメールを最後にご紹介してこのシリーズの終わりとしたいと思います。
こういったやり取りはご依頼に際してトーア復元研究所の仕事がどのような感想をご依頼主に持たれているかのご参考になるかと存じます。
「 荷物届きました。
お気遣い有難うございます。
こんな時、色々と夫々の人間性を色々見ました。
そんな中、池森さんには大変な作業を色々して頂き、本当に救われる思いでした。
大した物ではないのですが(著者注:ほとんどが大したものだったと思います)、物に対する想いがあり、初めから諦めるのではなく、やってダメなら諦めようと、ダメ元でお願いした次第です。
ですが、思っていたよりはるかに綺麗になってました。
本当に有難うございました。」
このメールに私も感動し、以下のようなご返信をしました。
「
わざわざメールをありがとうございます。
出来れば全てのご依頼品を完璧に
してお返ししたかったのですが、
まだまだ弊社の技術不足で大変
恥ずかしく存じます。
私自身は10数年前にボヤで自分の
クリーニング店から出火したことがありました
(夜中で店には誰もおりませんでした)。
トイレで喫煙していた者がいたらしく
トイレットペーパーに火の粉がついた
ものが数時間後、燃えだして店内
真っ白い煙だらけになったそうです。
近所の方が消防署に通報して駆けつけた
消防士さんがドアをぶち破り、あわや
放水作業を開始しようとした瞬間、
近所の寿司屋のパートのおばあさんが
前に立ちはだかって、
「そんなことしたら、洗濯物が
駄目になっちゃうじゃないの!」と
制止してくれたそうです。
仕方なく消防士さんが放水せず店内に入ると
溶けたトイレットペーパーホルダーが
床に落ちていて、すでに鎮火していた
そうです。
消防士さんから電話連絡を受けた私は
頭が真っ白になりながら現場に駆けつけた
ときは、そのパートのおばあさんは
すでにいませんでした。 そのおばあさん
がいなかったら、大惨事になっていた
ところでした。
後日、そのお婆さんが誰なのか、やっと
分かってお礼を言いに行きました。
すると、そのお婆さんはニコリとも
せず、
「お礼はいいから、たまには店の前を
掃き掃除ぐらいしなさいよ」
とたしなめられちゃいました(苦笑)。
この一件から、
「火事で被災した衣類の臭いや汚れを
取る研究」をし始めました。 まだまだ
道半ばですが、もっと技術力を上げて
ご不幸にも火災に遭われた方のお役に
立ちたいと思います。 私がそのお婆さん
に助けられたように。
勝手に長文の返信で大変失礼いたしました。
今後とも何かお役に立てることが
ありましたら、いつでもご相談くださいませ。
トーア復元研究所
池森 」
そうしたところ、再度ご依頼主から感動のメールのご返信を頂きました。 それについては、また明日ご紹介いたしましょう。