では最後に今回、毛皮ファーが緑色になってしまった原因についてご説明します。
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毛皮ファーが変色した原因
最初に申し上げておくと、今回のご依頼はご依頼主のクリーニング屋さんがお客様から受けた「クレーム」です。「洗ったら緑色になってしまった!」とトーア復元研究所にご相談になられたのです。 恐らく洗った後、アイロン仕上げ工程で「これ、色がおかしい!」ということで気が付いて、お客様に言われる前にその旨言うと、お客様は「たしかに洗う前はこうじゃなかった・・・」という流れだとのことでした。
しかしながら、この緑色になった原因は毛皮を扱う業者ならよく知られた現象で、日光や蛍光灯の紫外線によって毛皮の染料が褪色し、一部の染料だけが取れたり分解されたことで残った染料(毛皮の場合、多くは緑色が残る)の色になってしまうのです。
ですから、ドライクリーニングだけでこのようになるのは、ちょっと考えにくいのですが、お客様がそう言うなら仕方ありません。 もっともトーア復元研究所の仕事は原因の特定ではなく「いかに元の状態に戻すか」なので、今回無事に色が戻ってまずは良かった・・・ということで終了しました。 クリーニング屋さんの仕事も本当に大変だと思うばかりです。
ではまた次回、別のご依頼品をご紹介いたします。