日々の衣類の復元について解説

今回はメールの内容をご紹介する前に、最初のいきさつからお話ししましょう。ある日、私の携帯にトーア復元研究所受付センターから電話がありました。「社長！突然、宅急便のダンボールが４０個くらい届きました！」私もビックリです！　センターへ行ってみると、差出人は一人。知らない名前でした。「この段ボールが届く前に『火災に遭った...

今回のご依頼主は火災に遭った衣類のスス、臭い除去作業をしてくれる業者を、まずお嬢様が探してトーア復元研究所を見つけたそうです。　お嬢様のご依頼品を何十着か仕上げた後、「母もお願いしたいと言っていますので、後日連絡があると思います」とのメール。　その後、お母さまからメールでご連絡があり、早速、お見積もりをメール差し上...

火事　煤　臭い除去火事のスス汚れや臭いの除去のご依頼人からのお手紙やメールについて、お話ししましょう。　衣類を送ってくださるご依頼主は、火災という一生のうちで最大級のご不幸に遭われたわけで、その辛さは察するに余りあります。　しかしその辛い状況下でも、スス汚れ除去の依頼を引き受けた私に対して、深い感謝の意や仕上がりに...

所内に入ってきた人は外に干している衣類を指さして、「あそこに干してあるヴィトン、いくらですか？」と言うではないですか？！そう、つまりこれまで干していたスス汚れの衣類を通りすがりの人は、「販売用に売っている中古品」だと思ったようなのです。　私が「ススのすごい臭いが干している衣類から漂ってきたら、不快だろうと思って張り...

びしょびしょに濡れていたため、外に干していたスス汚れのご依頼品。私がびっくりしたのは、干していた服の横を通り過ぎようとした人が、立ち止まってこの衣類をしげしげ見たり、手に取って臭いを嗅いだりしていたことです！　それも一人や二人ではなく、何人もの人が同じような行動を取っては立ち去っていくのです。　私は研究所のスタッフ...

以前、大量の火事の臭いが付いた衣類の臭い除去を頼まれたのですが、これらは全部「びしょ濡れ」状態でした。　臭い除去のためのテストは完全に乾いた状態でないと出来ないため、基本的にはご依頼主に「濡れたご依頼品は干して乾かしてから」の発送をお願いしていますが、「被災後の仮住まいが狭く、干せるスペースが無い」などのご事情も考...

今回はちょっと趣向を変えて、火事のスス汚れ、ススの臭い除去作業工程ではなく、この仕事にまつわる余談をお話ししようと思います。　　まず、作業には必ず「ゴム手袋」を使用しますが、この手袋、最初はこのように真っ白ですが、使用前のゴム手袋お見積りのために被災したご依頼品をチェックする作業が終わってみると・・・使用後のゴム手...

もう一方のモンクレールのダウンジャンパーも、臭いがほとんどしない状態にまで除去できました。　今回、ダウンジャンパーの素材がナイロンだったのも作業結果が良好だった要因です。　もしジャンパーの表地が綿だったら、こうはいかなかったかも知れません。　如何に技術力を向上させようとも、どうしても衣類の素材に結果が左右される側面...

あとは最終チェックを兼ねてアイロン掛けで完成です。　特に問題も無く、無事毛皮ファーのモンクレールのダウンジャンパーは出来上がりました。

こちらは黒の方のモンクレールのダウンジャンパー。　火事のススの臭いはほとんどと言っていいほど、分からなくなりました。こちらは毛皮ファーの付いたモンクレールのダウンジャンパー。　こちらも臭いはほとんどしなくなりました。　もちろん毛皮ファーも臭いません。　毛皮ファーの方は薬品を変えましたが、それでもちゃんと消臭効果があ...