日々の衣類の復元について解説

これまでの工程で作ったデータを元に、剥がした本体をプリント貼り付け担当のところに送りました。　地方にあるプリント貼り付け担当から、ジャンパー本体にプリントを貼り付けた状態で宅急便で戻ってきたところです。　開けてみましょう。今回はバレンシアのジャンパー以外にもモンクレールのダウンジャンパーのプリント直しが２点あり、そ...

では引き続き、剥がれかけたプリントを剥がす工程です。こうして一文字ずつ丹念に剥がしていき、ようやく全て剥がれたところがこちらです。かすかにノリが残っていますが、この上から新しいプリントを貼り付けてしまうので、ノリ部分は見えなくなるから問題ありません。　この作業の後は、ちりぢりに細かくなったプリントの破片で機械の周囲...

では、これから行うのは「剥がれかけたプリントを全て剥がしてしまう」工程です。　実は、この作業がプリント直しの中で一番大変です。　まずは剥がれたプリント面を機械にセットします。そして薬品を塗布し、特殊な方法を使って少しずつプリント文字に付いている「ノリ」を剥がしていきます。　ある程度剥がれてきたら、あとは指でゆっくり...

そして次の工程が、「データ作成」です。剥がれたプリント面をスキャンして、プリントをトレースします。ここで大事なのは、スキャン画像をそのままトレースするのではなく、「歪みを補正しながらトレースする」ということです。　どういうことかと言うと、プリントは貼り付ける際に生地が柔らかいので、どうしても多少歪んだ状態で張り付い...

まずプリントをする上で、邪魔となるファスナー部分をほどきましょう。全てファスナーを取る必要は無く、プリント用のプレス機に当たる部分だけをほどきます。正直、こういった作業が無ければ、より安価にプリントを直すことが出来るのですが、大体の場合、こういった付随する作業が必要になります。　製造メーカーさんは、プリントを一番最...

バレンシアのジャンパーのプリントはこのような状態でした。文字により剥がれ方にかなり違いがあるようです。　そして、プリントを直す工程で問題になるのがこのジャンパーの前ファスナー部分です。なぜなら、プリントを貼り付ける際にファスナーが邪魔になってプリントに必要な圧力が確保できないからです。　ではその辺の回避方法などは、...

今回は北海道札幌市のクリーニング屋さんからのご相談でした。　「洗ったらバレンシアガのジャンパーのプリントが剥がれてしまったんですが、直りますか？」というお電話の後、ご依頼品が到着しました。開けてみましょう。中には丁寧なお手紙も入っていました。　バレンシアガのジャンパーは以前やったことのあるデザインの色違いでした。　...

こちらが新たに作成した肩章（肩ベルト）です。細部を見てみましょう。オリジナルの左側とそっくりに出来上がりました。　今回、トレンチコート本体があまり日焼けしていなかったのが、良かったです。　焼けがひどいと身返しの生地を使ったときに、身返し部分は日焼けしていないので、いかにも「肩章だけ新品の生地」という感じになって浮い...

こちらが、肩章を作るためにコートの身返しを切り取って、その部分を在庫の布でふさいだところです。ちなみにこちらが作業前の状態。ウラ側とは言え、出来る限り似た布を探したところ、けっこういい感じのものが見つかった、とのことでした。　これなら脱いだ時に身返し側を周囲の人に見られたとしても、違う布を縫い付けたとは一見わからな...

縫製担当と打ち合わせ中です。袖ベルト、肩章（肩のベルト）を作成するには、そのための布が必要です。　ところがこれを生地店で仕入れようと思っても違和感のないぐらい似た布を見つけるのは、ほとんど不可能です。　そこで行うのが「コート本体裏側の身返し部分（裏側の表地と同じ生地の部分）を切り取って生地を確保する」という方法です...