今回のご依頼主は火災に遭った衣類のスス、臭い除去作業をしてくれる業者を、まずお嬢様が探してトーア復元研究所を見つけたそうです。 お嬢様のご依頼品を何十着か仕上げた後、「母もお願いしたいと言っていますので、後日連絡があると思います」とのメール。 その後、お母さまからメールでご連絡があり、早速、お見積もりをメール差し上げたところ、このようなご返信がありました。
「
池森先生
此の度は、お忙しい中
沢山の衣類を心込めて
復元頂きまして
私共家族一同、先生には感謝致しております。
また、昨晩も遅くまでお見積りを頂きまして
有難うございました。
一番急ぎで欲しいものが
茶色のダウンコートです。
ファーについては
色がすでに変色していますので
ファーは外して使います。
辛い気持ちも
先生のお力により
復元して頂き本当に喜んでおります。
他の皆様のこともございますので
私が一番今欲しいものは、茶のMERI MERIMOの
ダウンコートです。
お忙しい所大変申し訳ございませんが
宜しくお願い申し上げます。 」
時は真冬。 ダウンジャンパーが最も必要な時期での火災とは、悲劇以外の何物でもありません。 大至急作業し、2日後には発送しました。 お支払いはその他のものと一緒に後日、ということにしましたが、それも、「まずはご依頼主のお困りの状況を何とかしたかったからです。 それにしても本来お客様にであるご依頼主に「池森先生」と呼ばれたのは少々恐縮します。 立場上、時には「先生」扱いされている私ですが、トーア復元研究所が提供したいのは「他では断られた衣類の復元を、何とかして頼みたい・・・」というご依頼主へ最善の品質です。 それ以外の名誉も称賛もも無くて当たり前と思って今後も努力していきます。