では、ご依頼品の縮み状態を確認してみましょう。
かなり固くなっています。 と言うことは相当縮んでいる証拠です。 ご希望の修正サイズが明記されていなかったので、まずはどの程度伸びるかテストすることにしました。
今回のようにウール製品を洗ってしまって縮んでしまうことを「フエルト化」と言いますが、ウールがフエルト化して縮む原因は、ウール繊維の鱗片構造が水や湿気によって開かれ、絡み合いやすくなり、摩擦や圧力によってさらに結合し、繊維の配置が変わって縮むためです。 摩擦や圧力として考えられる原因は、摩擦によって繊維同士が絡み合い、また圧力によって密着することで、ウール繊維の鱗片構造が変化し、繊維同士が結合して縮むためです。
ウールの衣類をフエルト化させずに洗うには、
- 冷水洗い: 温水や熱湯ではなく、冷水を使用して洗うことで、ウール繊維の鱗片が開かずに繊維同士の絡まりを最小限に抑えます。
- 適切な洗剤: ウール用の洗剤を使用して、ウールの特性に合ったpHバランスの洗剤を選びます。強い洗剤や漂白剤は避けてください。
- 優しい手洗い: 洗濯機ではなく、優しく手洗いすることをおすすめします。衣類を軽く押し洗いし、こすることを避けてください。
- 洗濯ネットの使用: ウール製品を洗う際には、洗濯ネットを使用して衣類を保護することができます。これにより摩擦を軽減し、フエルト化を防ぐことができます。
- 水温と時間の制御: ウールの衣類を洗う際には、水温を適切に保ち、洗濯時間を短めにすることで、ウール繊維の変化を最小限に抑えます。
- 脱水の注意: 脱水時には、低速の設定を使用し、できるだけ水分を抜きますが、強い圧力をかけないように注意してください。
- 平干し: ウールの衣類を平たく形を整えて干し、日光に当てず直射日光を避けて乾かすことで、ウール繊維の保護と縮みの軽減が図れます。
などの方法を実践することで、ウールの衣類を洗う際にフエルト化を最小限に抑え、長く美しさを保つことができます。
ではそのテスト工程を明日の記事でご覧に入れましょう。