縫製担当が頑張って、プリントした生地を縫い直したところがこちらです。
近寄って細部を見てみましょう。
黒いプリントした文字がくっきり映えて、とてもきれいですね。 いつも思いますが、プリント文字部分を新品にしただけで、洋服全体が新品に見えるから不思議です。 これで堂々とご依頼主もお客様にお返しできるでしょう。
このモンクレールのダウンジャンパーにおけるプリント剥離は、大変よくご依頼されるものでもあります。 プリントが施された衣類というのは、一般的にはプリント工程は比較的、製造コストを下げられるので安価に販売される衣類に使用されることが多いのですが、そのデザイン性と自由度に富んだ性質から、モンクレールやバレンシアガなどのブランド品でも使用されるのが珍しくなくなりました。
そこで問題になるのが「プリント部分の寿命」問題です。 ほとんどのプリント製品が「寿命は2年から3年」と言っているので、数千円の衣類ならともかく、十数万円もする衣類では、寿命としては短かすぎると言えます。
とは言っても、現実、そういう衣類が販売され、購入されているのであれば、トーア復元研究所の「プリント復元」という技術で、これらの衣類の着用寿命を伸ばせるよう、さらに納期やコストの改善をするのが使命と言えるでしょう。 今後の研究成果で結果を出していきたいものです。
ではまた次回。 別のご依頼品をご紹介いたします。