目次
無くなったコートの袖ベルトを作る
袖ベルトを失くした場合、販売店では売ってくれない
読者の方で、バーバリーコートの袖ベルトを片方だけ失くしてしまった・・・・という経験をお持ちの方は、何人かいらっしゃるかも知れません。 一方、そういう経験のない方は、「万一、袖ベルトを片方失くしてしまったら、販売店に行けば、袖ベルトだけ売ってもらえるだろう」と思っている方もいらっしゃるかも知れません。 ところが、実際に販売店に「袖ベルトを失くしたので、袖ベルトだけ売ってください」と購入に行ったとしても、100%ちかい確率で「それは出来ません」と言われてしまうのです。 これは、1万円もしない量販店のコートであっても、一着10万円以上するバーバリーなどの高級コートであっても、事情は同じです。
なら、袖ベルトだけ失くしてしまったら、どうすればいいの???
まさに今回の都内の個人のご依頼主も、この災難に遭遇してしまい、他に当てがなくトーア復元研究所へご相談されたのでした。 そして届いたのがこちらのご依頼品です。
開けてみましょう。
言わずと知れたバーバリーロンドンの高級コートです。 では、失くなった袖ベルトについて、詳しくご紹介していきましょう。
作成する袖ベルトのデザインを観察する
まずは今回作成する袖ベルトの特徴などをよく確認してみましょう。 それはもちろん、現存するもう一方の袖ベルトを参照します。 詳しくはこちら。
生地を切り取る部分を探す
袖ベルトのために、コートから生地を切り取るときに「どこから取るか」が最も重要な点です。 こちらに詳しく解説しています。
生地を切り取る
生地を採取する箇所が決まったら、袖ベルト作成に必要なだけの面積分、裏側の生地を切り取り、空いた穴は在庫の布でふさぎます。 詳しくはこちら。
袖ベルトの外形が完成
バックル取り付け、各部縫製が済んだのがこちらです。 最後に「バックルピンの穴」を開ければ袖ベルトの完成となります。
袖ベルトの完成
こちらが袖ベルトが出来上がったところです。 併せて身返しの生地を切り取った跡もご覧ください。