では直したところをご覧ください。
あれだけシワシワだったのが、この通り。
これで安心してご依頼主へお返しできます。
それにしてもゴアテックスの剥離はなぜ起こるのでしょう? 一つの原因はノリの寿命です。 特に摩擦の激しい部分から先に剥離し始め、表地に空気が入ったように見えてきます。 もう一つ原因があるとすると、クリーニング時の回転力による剥離です。 その際に、回転乾燥機などを使うとよりノリの剥離が進む傾向があります。 始末の悪いことに、洋服の素材表記は表地や裏地、中ワタについては記載義務がありますが、芯地やゴアテックスのシートについてはほとんどの場合、記載しません。 ゴアテックスのシートは中を開けない限り分からないので、劣化が進んでいるかどうかも分かりません。 クリーニングのたびに中を開けて、その後、また縫い直す、などということをしていたら、トータルのクリーニング代が数千円以上になってしまうでしょう。
と、なれば今後も今回のようにゴアテックスのシートが剥離して初めて対応に追われる、という対処療法しか無いのが現状なのです。 ではまた次回。 別のご依頼品をご紹介いたします。