こちらの黒のワンピースもスス汚れは目立たないので、臭い除去に集中します。 綿素材のため比較的臭いが取れにくいですが一方、染めがしっかりしていて強い薬品にも耐えられたため、ほとんど臭いがしないレベルまで作業出来ました。 このように、素材だけでなく、染色が強い（＝染色堅牢度（せんしょくけんろうど）が高いと言います）かどうかも結果を大きく左右するのです。
一方、染色堅牢度が弱い衣類は薬品に浸けると、ものすごい量の染料が作業溶液の中に溶け出すので、ひどい場合は染められた染料の色が濃すぎて、浸かっている衣類が見えなくなってしまうこともあるぐらいです。 これら染色堅牢度の強い、弱いは原反の製造工程で決まってしまうので、クリーニングやしみ抜き段階ではどうすることも出来ません。 なお、素材やデザインによっては溶け出した染料と同色の染めを行うことで、衣類の色落ちを戻すことが可能なこともあります。
