例えばクリーニング業者の火事のケースでこんなことがあったそうです。 ジャンパーやスキーウェアなどは「防水」することが多いのですが、防水(業界では撥水(はっすい)と言っていますが)の方法は洗いあがったジャンパーやスキーウェアを乾燥機に入れ、熱をかけずに回転させ、そこにスプレーで「防水液」を噴射して、まんべんなくジャンパーに防水液をくっつけるのですが、問題はその防水液が「石油系溶剤で薄めて作る」ということなのです。 その結果、噴霧する防水液は「可燃性」のものとなり、作業中に火災が起こる可能性があります。 私が聞いたケースでは、防水液の噴霧中に作業員の方が「ちゃんと液が噴霧されてるかな?」と乾燥機のドアを少し開けて、噴霧される防水液のノズルをのぞこうとしたとき、火が出るのに適した量の酸素がドアから流入し、もともとジャンパーのポケットに入っていたライターが着火源となって火が付いて火事になった、というものでした。 「そんな偶然あるのか?」と思う方も多いと思いますが、中堅規模のクリーニング工場では毎日のように防水作業をしているので、普段は大丈夫でも「ある日」そのような偶然が重なって火災になってもおかしくないのです。
裏話40 クリーニング業で火災になる実例
20241/05