洗ったら色落ちしてしまった浴衣のシミを取るには
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今回は都内の個人のご依頼主からのご相談でした。 「以前、そちらで浴衣の色落ちを直してもらった人からの紹介なんですが・・・・」というお電話を頂き、「あぁ、そういえばこの間、自分の踊りの教室の人にも宣伝する、と言ってくださった方がいたな。 その方の紹介だ」とすぐ思いつきました。 であれば、恐らく同じようなデザインの浴衣でしょうし、そうなると使用されている顔料なども同じですから、しみ抜き方法も同じで大丈夫だろうと、考えて、「はい。 お任せください。」とお答えしたところ、早速、ご依頼品の浴衣が送られてきました。
開けてみましょう。
確かに以前やったのとほとんど同じ柄の浴衣です。 同封されていたメモによると2着入っているとのこと。 ではその色落ちの状態を詳しくご説明いたします。 ちなみに今回も2~3日しか時間の猶予がありません。
ご依頼品の色落ちの状態を確認し、お見積りと仕上がり品質についてのご説明
色落ちはその度合いによって染み抜き工程も変わります。 染み抜き工程における薬品が強いほど、色落ちが落ちたとしても浴衣への別の影響もあります。それらを事前に予想してご依頼主へご説明するのがここでの重要なポイントです。 これらのご説明を聞いてキャンセルすることも、もちろんOKです。
実際の染み抜き工程について写真入りでご覧に入れましょう。
ここではご依頼主が目にすることのない、実際の染み抜き工程について、その流れを写真とともにご紹介しています。 一番のポイントは「薬品の濃度と温度」です。
今回は2着の浴衣の色落ち染み抜きをご依頼されたので、2着目の工程もご紹介します。
同じ条件で色落ちした衣類は、染み抜き工程も同じになります。 この点、最初に方針が決まってしまうと、2回目の作業は大変楽になります。
最終工程のアイロン仕上げもご覧ください。
乾燥したのち、アイロンで最終仕上げをしながら他に問題がないか、チェックも行います。
2着ともご依頼主へ出来上がりをご覧頂き、OKであればお支払い、ご返送、という流れになります。
出来上がりの状態は写真を撮ってメールでご連絡します。 ご要望により細部も撮影し、ご納得頂いてからのお支払い、ご返送、となって、ようやく全行程終了となります。
以上が、全体の流れですが、まずはお電話頂ければご納得の上、作業にかからせて頂きます。 浴衣はイベント的なご着用シーンも多いため、「何とかして明日までに!」のようなご要望にも出来る限りお応えするよう努力しております。
最近は浴衣も大変安価に販売されています。 そういう中で「クリーニング代はちょっともったいないなぁ・・・」という考えからご自身で洗った結果、「色移りしてしまった!?」という失敗談は大変多く聞きます。 そういう方に、「どのように洗ったんですか?」とお聞きすると、ほとんどはTシャツやポロシャツと同じ洗い方をしているとのことです。 でも浴衣の洗い方はTシャツやポロシャツとは全く違います。 ご自身で洗おうと思う方は、その点に多大に注意を払って頂きたいところです。