ご依頼品の中には、このようにスソのゴムなどが既に切れて損傷しているものもあります。 トーア復元研究所ではご依頼主のご希望があれば、ススの臭いや汚れ除去と同時に、これらの損傷を修復してお返しすることも出来ます。 こういった点も汚れを取るのだけが本業という街のクリーニング店とは違うところです。
-
火事に遭った衣類 重症なケース16
-
火事 ケース15
エリ周辺にスス汚れが目立つデシグアルのコートですが、こちらはかなり機械による攪拌時間を長くして除去を試みました。 それでも天然素材であることから、完全にスス汚れを除去するのは難しいと言えます。 目指すのは着用できる程度の目立たなさのレベルです。
-
火事 重症なケース14
こちらはプリーツスカート。 やはり一部にスス汚れが大きくついてしまっています。 薬品を調合して浸けこみ、機械で攪拌するところは同じですが、薬品の中身、温度、攪拌時間などを調整します。 このように素材やスス汚れの具合によって、作業内容は何百通りにも変わるのです。
-
火事 衣類のかなり重症なケース13
今日からはススの臭い・スス除去の作業工程をご紹介していきます。 このスカートはところどころにスス汚れが目立つものでした。 薬品を調合し、その中に丸ごと浸け込み、機械で攪拌します。 この時の薬品の濃度、温度は火事で被災した衣類の状態によって、さまざまに変えることで効果を発揮します。 難しいのは煤汚れの状態を見て考案し...
-
火事 かなり重症なケース12
こちらのジャケット。 エリ周辺にかなりスス汚れがひどい状態です。 ここまで状態が悪いと、汚れは薄くはなりますが、ちょっと着用には耐えられないと思われます。 このジャケット、薄いグレーですが、それが黒や濃紺であればスス汚れが薄く残ったとしても着用にはほぼ問題ない結果になったので、火事の被災衣類の復元においては、実に様...
-
火事に遭った衣類 かなり重症なケース11
赤や茶色や紺の生地をツギハギのようにあしらった、かなり凝ったデザインのシャツです。 ニットのストライプ部分や茶色のコーデロイ部分にスス汚れがありましたが、幸いこれらはほとんど目立たないレベルに落とせそうです。 作業前にこういった結論が分かるのも、長年培った事前テストの精度の成果です。
-
火事 重症なケース10
グレーのジャケットです。 こちらは化繊の混紡品で、比較的スス汚れが目立たなかったものなので、臭い除去が上手く効けば、またご着用できるまでに出来ると思われます。 作業後の経過を後にご紹介いたします。
-
火事に遭った衣類 重症なケース9
綿のセーターです。 写真では気づかないかも知れませんが、赤いラインと青いラインの間の「茶色いライン」は火事のスス汚れです(ちょうどアルファベットのSNUB NOSE AN....と書いてある部分)。このような綿のニット製品にスス汚れが付いた場合、ほぼ100%落とすことが出来ません。 キャンセルをお勧めするケースです。
-
火事 重症なケース8
こちらは全体に刺しゅうがなされたワンピースです。刺しゅうというのも、染み抜きにおいては厄介です。 刺しゅうに使われている糸に汚れが付くと、非常に取れにくい上、染み抜き作業で刺しゅう糸が寄れてしまう危険があるからです。
-
火事の煤・臭い除去 重症なケース7
アコーディオンプリーツの付いたカーディガンです。 プリーツ部分にうっすらススの汚れが付いています。 後でご紹介しますが、一番問題なのは、カーディガンのニット部に発生していた「脱色」です。 広範囲に色が抜けていて、色掛けしても火災の影響のせいか、色が全く乗らないのです。 何故火災の影響で色が抜けるのか分かりません。 ...