衣類の匂い除去– category –

ここまでは「洋服や着物などいろいろな種類の衣服の火事の臭い・スス除去作業」と題して、ご送付いただいたご依頼品の作業前鑑定を行ってきました。　これらは最初の「お見積り」にも多いに影響する大事な工程でもあります。　では次からは、その鑑定に基づいて実際の作業工程を順にご覧に入れましょう。「火事の煤汚れって、一体どうやって...

ラルフローレンの綿のコートです。こちらも幸い火事のスス汚れが目立たないので、臭い除去が上手くいけば、また気持ちよくご着用出来るでしょう。　綿の生地でもこの織り方なら、比較的臭いは取れやすいです。　薬品も強いものを使っても生地が持ちこたえられるのも幸運な点でした。ですが綿と言っても、染料によっては薬品で変色や脱色を起...

昨日の背広とセットのスラックスです。　こちらも火事のスス汚れが目立たないので、臭い除去を重点に作業します。　スーツの場合、上下を一緒に作業することが大事です。　こうすることで作業後の状態に差が出ないようにするためです。　そのため、上下物の場合は一緒にご依頼いただくことが大事です。　「上着の火災の臭いが上手く取れたら...

こちらはグレーのウール１００％の背広。これも火事のスス汚れはほとんど分かりませんから、強い薬品で臭いが取れれば申し分ないでしょう。　一方、もしこの背広にスス汚れが付いていた場合でも、綿や麻などに付いた場合に比べればキレイに取れる可能性が高いです。　一方、同じウールだったとしてもセーターのようなニット素材だと、弱くし...

ウールのストライプのスーツ上下です。　こちらも目立った火事のスス汚れは見当たらないので、強い薬品でススの臭いを除去すれば、問題なく着用できるレベルになりそうです。　今回のご依頼品は、火事のスス汚れの状態がそれぞれかなりの差があるようです。一方、送られてきたご依頼品が全て重症、というケースもあります。　その一例がこち...

ウールの背広上下です。　ウールは比較的、火事によるスス・臭い除去作業で臭いは取れやすいですし、幸いこの背広上下は目立ったスス汚れも無いので、かなり良い状態でお返し出来そうです。　一方、火事の煤汚れがひどく強く付いている場合は、ウールは強い薬品に弱いので、作業することによって変色したり色がにじんだり、硬くなったり、と...

こちらは綿１００％のジャケット。　淡いアイボリー色に火災によるスス汚れがひどく付着してしまっています。　衣類の素材と言い、色と言い、スス除去においては非常に難しいケースと言えます。　綿・麻・絹などの天然繊維は火事の煤汚れが取れにくいものですが、中でもニット地のものはさらに取るのが難しいです。　

綿とポリエステル混紡のジャケット。　これまでのものとデザインや素材が似ています。　ご依頼主は明るい色合いの洋服を好んでお召しになるようです。　ですが、こちらは一部、かなり火事によるスス汚れがひどい部分があり、作業においては入念な工程を踏む必要がありそうです。火事の煤汚れ除去は衣類の状況により一つの工程で済むものもあ...

こちらもポリエステル混紡のジャケット。　一見、ススの汚れはあまり付いていないように見えますが、エリをめくってみると、その下は真っ白。　この白い色が本来の色、つまり全体がうっすらスス汚れで黒ずんでいるのです。　火災に遭った衣類独特の汚れ方と言えます。　他にも火事の煤汚れの特徴として、「ある部分は真っ黒でそこからグラデ...

ポリエステル混紡の背広です。　ポリエステルが入っている衣類は比較的、火事のスス汚れは取れやすいですが、この背広、色が明るく、ススの付いた範囲がかなり広いため、うっすら残って見える可能性はあります。　このように素材だけでなく、火事の煤汚れの付着状況なども結果に大きく影響します。　それら全てを勘案して最良の作業を考案す...