縮んでしまった衣類を直すにはアイロンによる成形作業を行います。 もちろん、これにも伸ばせる限界があり、今回は相当縮んいることが予想されるので、まずは限界まで伸ばすことを目的にします。
まずご依頼品をアイロン台にセットします。
裏地など、衣類本体以外の部分を先に伸ばしておきます。 後からやると、成形した本体の寸法に影響することがあるからです。
では袖部分から始めます。
続いて身頃部分です。
作業終了後、採寸します。
結果はそれぞれ3センチ程度しか伸びませんでした。 ご依頼主のご相談しご理解いただきましたが、ご希望サイズまでは無理だったので作業費用は無料となりました。 ご期待に添えず残念です。
ちなみに、ウールの縮みについては昨日の記事でご説明しましたが、ウール以外のものだと、どんな縮み原因があるでしょう?
・熱: 衣類は、高温にさらされることで縮む可能性があります。熱湯や高温の洗濯、ドライヤーの使用などが原因となることがあります。
・水: 水分によって繊維が膨張し、その後縮むことがあります。特に天然繊維や混合繊維の衣類は、水にさらされることでサイズが変わることがあります。
・摩擦: 衣類が強い摩擦や引っ張りにさらされると、繊維が収縮して縮むことがあります。洗濯機での洗濯時に衣類同士が擦れ合うことや、激しい動きの際にも影響を及ぼす可能性があります。
・化学反応: 某些の繊維や素材は、特定の化学物質や洗剤、薬品に反応して縮むことがあります。これには、プラスチック繊維などが含まれることがあります。
・誤った洗濯方法: 衣類の洗濯タグに指示された洗濯方法を守らない場合、素材がダメージを受けて縮むことがあります。例えば、ドライクリーニングの指示があるのに水洗いをしたり、手洗い指示のある衣類を機械洗いしたりすることが含まれます。
・乾燥方法: 衣類を高温の環境で乾燥させることで、繊維が収縮して縮むことがあります。特に、高温のドライヤーは衣類の縮みを引き起こす可能性があります。
「結論、どうやったら、絶対縮まないの???」というご質問には、「うーん・・・それは上手いクリーニング屋さんに依頼すること」というのが一番の結論かも知れません。
ではまた明日。 別のご依頼品をご紹介いたします。