では、取り外していた白い生地をモンクレールのダウン本体に縫い戻したのが、こちらです。
プリントを直した部分をよく見てみましょう。
真っ白い本体に黒いプリントがとてもよく映えます。 プリント文字が新品になっただけで、ダウンジャンパー全体が新品になったように見えるから不思議です。
これまでたくさんの剥がれたプリントの衣類を直してきましたが、合成皮革同様、剥離のトラブルは今後も増えそうす。 デザイン性の自由度の高さがプリント製品の一番の魅力ですが、その寿命が短いのは残念なところです。 しかも今回のご依頼品のようにある程度高価な衣類だと、プリントが剥がれただけで廃棄するのは大変惜しまれるものなので、今後もトーア復元研究所のプリント直しの技術が、こういったお困りのご依頼主のお役に立てると思います。
また、これまでトーア復元研究所では10年近くに渡ってプリントの復元技術を磨いてきましたが、その甲斐あって現在は多種あるプリントの方式のうち、ラバーシート、転写シート、フロッキー、ラメ、昇華、DTF、シルクスクリーン金銀箔といったプリントにも対応できるようになりました。 今後もさらなるご依頼主のご期待に応えたいと思います。
ではまた次回。 別のご依頼品をご紹介いたします。