ストライプのウールの背広。 仕上げ作業で一番注意せねばならないのは、火事のスス・臭い除去作業が終わった後の衣類のシルエットを復元することです。 背広の肩パットや芯地など、作業上どうしてもシワだらけになってしまう部位を「袖馬」「肩馬」と呼ばれる器具で成形しながら作業することで、紳士服店で売られているような状態になるよう作業します。
特に肩の丸みは「いせこみ」と呼ばれる縫製方法で出来ていて、立体的な球面をさせねばなりません。 シワだらけだった背広の肩をその状態に戻すのが長年培った仕上げテクニックです。