では剥離したプリント部分を見てみましょう。
これは典型的なプリントの寿命による剥離です。 最後のトドメはクリーニング時に発生したかも知れませんが、クリーニングの失敗ならプリント文字にムラなく剥離が生じるのに、これは首回りなどの摩擦が発生しやすい部分に集中して剥がれているからです。 とは言え、クリーニング前に「洗うと剥がれるかも知れませんが、それでもクリーニングなさいますか?」というような説明を受付時にお客様に事前にお話ししていないと、どうしてもクリーニング業者のせいになってしまいがちです。
最近は今回のモンクレールのような高額品にもプリントがされている例が増えていますから、今後のクリーニング屋さんは受付時に一層注意を払う必要がありそうです。 例えば同様に高級ブランドのヘルノなどは、フードのごく一部にだけプリントが張り付けられていて、それが剥がれると大クレームになってしまう・・・という事例があります。
そのお困りのご依頼主にために、今回もトーア復元研究所がお役に立ちたいと思います。 では次回から、このモンクレールのプリントが剥がれたジャンパーのプリント直しの工程をご覧に入れましょう。